かの清少納言が枕草子で
「岡は船岡」と称えた
京都・船岡山のすぐ近く。
静かな住宅街でふと路地奥に目をやると、
角丸のポーチと目が合ってしまいました。
か、かわいい予感…！

近づいてみると、
「やっぱりかわいい！」と
「こんなところに！」が同時に浮かぶ
小さな小さな平屋。
きっと運命ですよ、
ちょっと屋内も覗いてみましょうね。

キッチンに和室が2部屋、
それからこぢんまりした
サービスルームがあります。
築年数不詳は不詳ですが、
キッチンと洗面台、浴室は
2017年にリノベーション済みだそう。

それでは、あらためて玄関から。

日が暮れるのが楽しみになる
レトロな玄関ライト。

カラカラと引き戸を開けると、
ああ、これは絶対に好きな雰囲気だ。
コンパクトだけれど
土間に式台、上がり框も
ちゃんとある。

玄関からはキッチンと
3帖の和室にアクセスでき、
こちらは和室のほう。
やっぱりコンパクトだけれど

押し入れの隣に
ハンガーパイプ付きの
収納があったり、

大物の収納や
おこもり部屋として活躍しそうな
窓付きのサービスルームがあったりと、
生活のしやすさに配慮した
あれこれが備わっているんです。

一見シンプルな内装も
眺めれば眺めるほどおもしろい。
たとえば小壁にこのように細かな
装飾が施されていたり。
このお部屋がどんどん好きに
なってきましたよ。

襖の向こうは6帖の和室。
外に面した窓がないはずなのに
なんか明るいぞと思ったら、

トイレとお風呂につづく引き戸から
光が注いでいるようです。

おお、奥の壁が
波板の扉になっている。

さらに天井も天窓のような仕様で、
ここから光が注いでいたのですね。
空気の入れ替えもできそうです。

そして、もう1箇所、
キッチンからの光も。

キッチンは窓付きで明るく清潔。

隣には独立洗面台があり、
ここも一部が天窓のようになっています。
なんとかして光を取り込もうとする工夫が
そこかしこに見られ、
いじらしくなってしまいます。

ちなみに独立洗面台は
お家のサイズ感に見合わぬ立派さ。

お風呂だって独立していて
リノベーション済み、
追い焚き機能付き。

トイレにも手洗いが付いています。

流行りの開放的なお家のように
扉や襖をすべて開け放ってもいいけれど、
小さなお部屋にひとつずつ役割を与えて
仕切って使うのもいいな。

近くにある銭湯やスーパー、
おいしいパン屋さん、
ちょっと面白い立ち飲み屋に行った日も
またここを通ってそっと帰ってくる。
そんな、私だけの小さな秘密の平屋。