朝、こんな空間で目覚めることができたなら。
市松模様の天井からクリーム色の壁、
飴色の柱へとゆっくり視線を移して、

振り返れば間接照明のやわらかな光の中に
浮かび上がるような絵画。

大きな窓からは
障子越しに穏やかな光が注ぎ、
まるでホテルで迎える朝…
そんなふうに思った方、正解です！

この建物は京都・東山三条通、
東山駅から徒歩1分の京町家。
現在は宿泊施設として運営されています。
一棟貸しのこぢんまりしたこのお宿、
間取り図を見ていると
2Kのお家じゃん！ と
思ってしまいますよね。

実際の物件にもお家感がありまして、
「ただいま！」と帰ってくると、
ご覧のとおり意外にも
あたたかな空気が迎えてくれます。
1階は細長い玄関土間と
リビングダイニング。

まずはダイニングへ直行かな。
夏なら冷蔵庫から冷えた麦茶を出して
モザイクタイルで覆われた
カウンターでぐびっと一杯。

キッチンにもカウンターとおそろいの
モザイクタイルが張られています。
エンジと黒を基調にした
シックな色合いが素敵。
コンロは1くちしかないけれど
生活に必要なものは
ひととおり揃っているようですよ。

雪見障子の奥には
コンパクトながら美しい
坪庭が用意されていました。
眺めるだけじゃなくて
ちゃんと外にも出られます。

お庭側から眺めるとこんな感じ。
奥に見える玄関側のリビングは
窓にカウンターが造作されています。
あそこはちょっとした作業用にして、
空いているスペースに
ラウンジチェアや小さなソファを
置きたいところ。

ダイニングとリビングの中程にある
障子戸を開けるとトイレ、

その隣に洗面とシャワールームがあります。
浴槽はないのね…と
不満を感じる余地のない
シャワールームの美しさよ！
まるでホテルではないですか。
あ、ホテルなんだった。

ちなみにシャワールムからも
さきほどの坪庭が見えますよ。
朝のシャワーが楽しみになりそう。

2階は洋室と和室が一部屋ずつ。

和室は寝る前のあれこれをする
スペースにぴったりですね。
窓際のカウンターは
座っても、作業机にしても。

そして、隣は自慢の寝室。
天井も建具も間接照明も
床板までも、何度見ても素敵…。
ここで寝る特別感が
なくなる日なんてやって来るんだろうか。

室内格子の奥に見える空間は、

1階のキッチンから上へ上へと続く
火袋でした。

いやー、これは壮観です。

周辺には、かつて「東の錦」と称された
古川町商店街があるほか、
平安神宮などの観光スポットも近く
飲食店や商店もたくさん。
宿泊施設としてもさぞ需要は
高いだろうなと思わせる好立地です。

旅館業の許可を再申請すれば、
そのまま宿泊施設として運営を
継続するのもOK。

でもね、ここはあえて
住居やセカウンドハウスに
することをおすすめしたい。
旅するように暮らす毎日が叶う
立地もサイズ感も申し分のないお家、
ほかにはなかなかないだろうから。