今年の3月までNHKで放送されていた
ドラマ「バニラな毎日」。
ロケ地が大阪市城東区の蒲生四丁目、
いわゆる「がもよん」であることに
驚いた方もいるのではないでしょうか。

「がもよん」は、昔ながらの商店街が
いまも賑わいをみせる一方、
戦火を逃れた古民家が
あちこちに残り、それらを利用した
古民家再生プロジェクトがおこなわれるエリア。

ドラマのおもな舞台になった洋菓子店のように
古民家を改装してお店を開く若い人も多く、
古いものと新しいものが混在する
独特な街へと変貌を遂げました。

そんな「がもよん」の裏路地に
ひっそりとたたずむ長屋が
今回ご紹介する物件。
グレートーンのスタイリッシュな外観が
周囲でもひときわ目を引く、
リノベーション済みのおうちです。

南北に長く伸びる、62㎡の1LDK。
ひとりで贅沢に、ふたりでも
のびのび暮らせそうな広さがあります。

外壁に近づいて見ると、
ご覧の通りの豊かな素材感。
昼の表情もいいですが、
玄関灯がこの壁を照らす
夜の姿はきっともっと素敵なんだろうな。

玄関扉の向こうは、ひろびろとした土間。
壁の一部や天井はOSB合板、
向かいの壁にはまた違う木材が使われ、
異素材が良い塩梅でミックスした
ザ・リノベーションな空間に
のっけから気分が上がります。

土間にある開口の奥は洗濯機置き場。
ふだんは開口の入口に暖簾や布を
かけておきましょうかね。
勝手口が備わっているほか、

同スペース内には靴箱にぴったりの収納棚も。
玄関入っていきなり広い土間があるお家、
憧れてしまう……。

玄関から屋内を見るとこんな感じ。
やったー、和室がある！
どの建具も素敵だな〜などと
あちこちに目移りしつつ
玄関上がってすぐ左へ進むと、

これまた広々としたキッチンがありました。
一見はシンプルな造作キッチンですが、
3くちガスコンロにグリル付き。
ゆったりした作業スペースやシンク、
さらに大きな窓まであって
快適にお料理ができそうです。

キッチンの右手はリビングダイニング。
LDKで20帖もの広さがあります。
見るからに足触りの良さそうな床は
杉板フローリング。
かなりクオリティが高いであろう材が
贅沢に使われています。

LDKの奥には、うれしいことに
縁側がありました。

そのさらに奥には専用庭が。
2本だけ残してくれたという木たちを主役に、
お庭づくりに精を出すのも楽しそうです。

縁側から振り返ると、
和室の奥に玄関が見えます。
襖やガラス戸を開け放てば
風がよく通るのでしょうね。
右側も同様に、キッチンの障子戸を開ければ
縁側から窓まで一直線に
風の通り道ができます。

そして、見上げてびっくり、
現しになった天井の高く開放的なこと！
ダイナミックな梁に
視線が釘付けになってしまいます。

柱たちも味わい深く、
壁は隅々まで表情豊か。
古民家ならではのたたずまいを
愛でられるお家でもあるんです。

最後は、お待ちかねの和室へ。
ここだけ残された和室は
完全に仕切れる唯一の空間でもあるから、
寝室にするのが良さそう。
押し入れはないので
布団ではなくマットレスにして、
窓際の板スペースには
棚や植物を置いて。
きっと素敵な寝室になると思うな。

洗面ボウルや照明など
細部にこだわった洗面と
トイレは縁側に、

リノベ前の建物には存在せず
新設したというバスルームは
玄関入ってすぐのところにございます。

すべすべした杉板フローリングの
リビングダイニングと、
それらに囲まれた畳スペース。
採光も風通しも申し分なさそうで、
写真を見ているだけでほっこり、
そこかしこでゴロリと寝転びたくて
なんだか眠たくなってきたような……。
心地よい街にある、心地よいお家での暮らし、
かなり心惹かれてしまいます。