うおおお！ 廃墟好きの血が騒ぐ ワイルドなたたずまい。 更には、崖の上に建っているので、 窓からの眺めがまるで展望台のごとく 素晴らしい眺望ときている。 このまま朽ちさせるには もったいなさ過ぎる物件なのです。

鉄骨の骨組みと木製の梁が むき出しになった内部は、 時の流れと、退廃的な美しさを感じます。 窓ガラスは大部分が割れ 痛みの激しい箇所もあり、 手を入れることが必須です。 改修費用を考えると めまいが起きそうですが、 今しばらくはこの廃墟美を 目に焼き付けておきたい。

窓から外を望めば 神戸の街を見下ろせる、 見事な景色が広がります。 遠くには、どこまでも続く空と海。 これからの新緑や秋の紅葉を 想像すると、心が冴えわたるよう。

室内からでも、よく見えますよ。 雄大な景色と室内の無常観との対比が 胸を打ちます。 大きな開口が全方位にあるので 解放感も抜きんでている。 現況のジャンクな様相も惹かれるものが ありますが、きれいに内装を設えれば この上なく晴れやかな場所に なるに違いない。

崖の上に立っているので遮蔽物が無く、 パノラマを独り占めできるのですから。 ここでお店を開いたら どんなに素敵なことだろう。 インフルエンサーがひっきりなしに 訪れる、絶景カフェになりそうです。

わ、外観も惹かれますね。 両端にある出窓が良いアクセント。 四角で構成された輪郭の中に 外階段の優雅なカーブが花を添える。 1979年築のレトロなたたずまいは 昭和の時代によく見かけたドライブイン のレストランを思い出します。 テーブル代わりにインベーダーゲームが 置かれてたりするような飲食店。 実際にどうだったのかは、 わかりませんけどね。

駐車場として使えそうな1階部分。 ピロティ形式と言うのかな。 屋根のある駐車場は、お客さんも 利用しやすく便利な造りに違いない。

六甲山頂を東西に走る道路沿いに 建つので、自動車でのお客様が多いはず。 ローサイドで視認性も抜群だから 知らずに通りかかっても、 ちょっと入ってみようかと 立ち寄りやすいお店になりそうです。

ただしこちらを借りるには、 諸々の条件があります。 崖地に建つことから土砂災害警戒区域 （急傾斜地）に該当しており、安全確保の ための地盤調査実施が募集要件。

また、土砂災害対策工事や建物改修工事 には多額の費用を要しますので、 その点も注意が必要です。

なかなかチャレンジングな物件ですが、 この廃墟寸前の建物に 新たな命を吹き込むのは、 なんとロマンあふれる大仕事なことか。 生まれ変わった姿を思い浮かべるだけで 心が浮き立ちます。

我こそは…と応える挑戦者が どうか現れますように！

文・葱山紫蘇子 大阪で娘3人息子1人と暮らす独り身。元劇団維新派役者竹山らいち、元ミニシアター従業員、元介護職。建物と書き出し小説と漫画と毛布のヘリが大好き。 Lit.Link