最初足を踏み入れた時に思ったのは
「カーテンひとつでこんな素敵になるんだ」
ってこと。

普通に窓上のレールにかけていたら
このほんのりクラシカルな雰囲気には
ならないでしょう？
ドレープの出し方も、なるほどね〜。

こんな照明も、

絨毯も、ベッドの感じも、

椅子も、観葉植物も、
まるで雑誌に出てくる部屋のよう。
インテリアのセレクトって、大事だなぁ。

壁はこんなにも昭和なのに。
で、なんと。
この部屋、これらの家具付きなんです。
嬉しすぎる！

台所側との境目は
シャラシャラと音を立てる
磨りガラスの引き戸。

この台所に立つ自分が想像できる。
ここで作るのはカルボナーラや
ミネストローネじゃない、
味噌汁や焼鮭だ。

外観は恐らくリニューアルされてるのだけど

階段を上がると
一昔前の空気感がそのまま残る廊下。

窓からオレンジの灯りが漏れてると
ちょっとホッとする夕暮れ時。

玄関入ってすぐ台所、というのも

滲み出る普通の生活感も、
たまらなく愛おしい。

この小さな和室には
ちゃぶ台を置こうか。

洋室で珈琲飲んでるよりも

ちゃぶ台で緑茶飲んでる自分の方が
なんかしっくりくる。

ここから見る、おしゃれ寝室。
玄関、台所、和室、からの
このギャップがたまらないな。

でも寝室のカーテンを開いた瞬間、
予想外の光景に、目眩がした。
決しておしゃれではないアルミサッシ、
ベランダに置かれた洗濯機、
エメラルドグリーンの物干し竿、
ありふれた日常、降り注ぐ日差し。
母の若かりし頃の写真で見たような、
幼い頃の私の写真で見たような。

板の間の右奥にある古い洗面所。
白いタイルも、洗面台も、
シンプルな鏡も、エモい。
エモいという言葉はあまり使いたくない、
けど、溢れるこの感情を
どう表現していいのかわからない。

そして板の間左手にあるのが
このお風呂。

水色のタイルに浴槽、
眩いばかりの光を照らし返す白い壁。
幼い頃に父や母に抱かれて
こんなお風呂に入ってたような気もする。

あるのかないのかわからない
記憶の隅を突かれたようで
思わず泣きそうになる。

今やあまり見ない間取り。
でも最高の間取り。
夏のお風呂上がりが楽しみすぎる。
板の間に椅子を置いて涼むか、

ベランダでアイスキャンデーを齧るか、
ビールをグイッといくか。

トイレの壁紙に思わず
「ファンシー」って声が漏れる。

なんと、家具だけでなくて
台所に見える家電や掃除機、

ドライヤーも付いてくるんだとか！

ただ、1〜3ヶ月という期間限定、
短期の住まいになるのですが…。
私、既に長く住みたいんですけど…。

入居できるのは4月初旬から。
憧れの京都暮らしをまずは
こんなアパートで身軽に
始めてみるのもいいかも。

期間限定と割り切って
ユニークなレトロ生活を楽しむのも
ありかもしれません。

雑誌に載ってそうな部屋で
まったりと過ごす時間、

昭和な空気にじんわり埋もれる時間。
ドラマチックと生活感を行ったり来たり。
いや、それもう全てひっくるめて
ドラマチックかも。

そんなことをつらつら考えつつ
あの板の間の陽だまりを、
どうにか自分のものにしたいものだな…
なんて思うのでした。