どこかの有形文化財かと思いました、
うっとりするような、この素敵な窓辺。
ここを、住むことができる物件として
ご紹介できるという驚きと感動に
打ち震えております。

まずこの佇まいです。
…本当ですか。
広大な芝生の庭、
こんもりとした木々に抱かれるように建つ、
立派な日本家屋の邸宅。
元内閣総理大臣の吉田茂氏が
数年過ごしたこともあるそうで
納得してしまう趣き、
歴史の深さを感じさせます。

熱海の海を臨む庭からの眺めもまた絶景！

立派な門松が似合いそうな玄関です。
こんな家で迎えるお正月の光景、
はたまた、帰るのがこんな実家だったら…
とついつい妄想してしまいますね。

威風堂々とした構えは、
日々きちんと掃き掃除しなければ、と
背筋が伸びる思いです。
季節の花を活けたりもして。

間取りもまた期待を裏切らない立派さ。
ああ、一階和室と角の広縁は…！
素晴らしいに違いないという期待に
胸を膨らませながら…廊下を進み、

左手にある「居間・食堂」がこちら。
え、ここ、普段家族で使うのでしょうか。
応接室といっても良いくらいの
ゴージャスさ。逆光でわかりづらいのですが、

窓上部にはこんなステンドグラスの装飾が。
赤い鳥にぶどうのモチーフが愛らしい。

壁や照明周りのレリーフといい、
こっくり深い焦茶色で統一された扉や家具、
重厚感と品があります。
ここの扉から広縁に出ることもできます、
もう行ってみましょうか。

なんということでしょう…絶句。
興奮で脳内あたふたしております（落ち着いて）！
広大な庭を臨む広縁、
ガラス戸の表情も、艶の出た床も、
天井のつくりも、光の入り方も、
あまりにも美しい。
人生の終わりは、こんな場所で過ごしたい、
とすら思ってしまいました。

和室からの眺めもお楽しみください。

右側に目を向けるとこの眺め。
ガラス戸の一部にはゆらめきある大正硝子が
使われているそう。
例えば、あのガラス戸が
普通のサッシ窓だったら、
この風情はないでしょう。
畳に落ちる木漏れ日の美しさも際立ちます。
長い時を経てこの窓が残されていることに
畏敬の念すら覚えます。
ここではあらゆるデジタル機器は
オフにして、ゆっくりと過ごしたい。

大正ロマンを感じる乳白色のガラスの照明、
ミントグリーンの床の間。

どっしり頼もしい面持ちの床の間の柱は、
高級な柿の木が使われています。

一番奥に位置する和室は
しっとり侘び寂びを感じさせる純和風。
少し複雑なつくりに見える障子は
真ん中が開閉でき、昼間の光量を
調整することができるんだとか。

廊下に並ぶ水回りはリフォームされて
綺麗に使いやすくなっていますが

建具などは当時の面影が残ったままで
洗面所の装飾窓など、思わず見入ってしまう
心躍るポイントがあちこちに。

二つ並んだ脱衣場の洗面所や

洗い場が二つあるお風呂場は
まるで温泉施設のよう。
湯船に浸かりながら天井のレリーフを眺め
優雅な気持ちになれそうです。

飴色の階段を登って二階へ進みましょう。
二間のうち、まずは和室へ。

こちらも先程の和室と同じく、
真ん中が開閉できる障子がぐるり。
格子の細やかさや
上部の小窓の意匠にも感心しきり。
小窓のカーテンに、今じゃもう見かけない
レトロなエンジ色のエアコン。

文豪が住んでいてもおかしくありません。
ミントグリーンの床の間、
ぽってりした布製のランプも
かわいいですね。
最後、いよいよ、お隣の洋室です。

ドアを開けて初めてこの光景を目にしたら、
きっと息を呑んでしまうに違いない。
大正時代の空気を
そのまま封じ込めたような
圧倒的な造形美と上品さ。
窓の外に広がる景色と相まって
由緒正しいホテルの一室のような、
絵画的な部屋。

薄紅色の絨毯の色といい
椅子テーブルにかけられた白い布といい、
完璧なんですよ…。
家具や照明は引き継ぎが可能だそうで、
この世界観をそのまま受け継げる喜び…！

壁をくり抜いたような棚、
小窓のような棚も素敵です。
何を置こうか飾ろうか、迷いますね。

目覚めてバルコニーに出るとこの眺め。
飽きる、ということがあるんでしょうか。

二階の洗面所は当時の面影が
色濃く残ったままで
大理石の洗い場や木戸など、
同じものには恐らく出会えないでしょう。

1925年に建てられ、100年という時を
超えてきた、こんなランプも。

広大な敷地の中には竹林、

秋には紅葉が楽しめる銀杏の木、
そして、みかんや琵琶やバナナの木も
植えられているそうで

四季折々、様々な彩りと果実を楽しめそうです。

もう、広大な中に魅力が盛り沢山すぎて
胸がいっぱい…。
誰かに大切に引き継いで
住んでもらいたい気持ちと、

少しでも多くの人の目に触れ
愛でてもらいたい気持ちと。
宿泊施設として活用されたりなんかしたら
それはもう、喜んで
行ってしまうことでしょう。

大正、昭和、平成、令和、と
歴史を超えて生き残ってきた大先輩。
凛とした空気が満ちる素晴らしいこの建物が
どうか、いつまでも残ってくれますように。