織物の町として栄えた京都・西陣。
周辺にはいまだに「カコン、カコン」と
織り機の音が響き渡る一方で、
現代的な住まいにリノベされた京町家も多く、
物件ファンでもたびたび取り上げてきました。

そんななかでも、今回ご紹介する物件は
出色…というか、めちゃくちゃ私好み。
トップ画像にある、間口の大半を占める
大きな開口には現代的なセンスが
ただよいますが、

外観は町家の風情をそのままに。
この「新しいもの」と「古いもの」の
塩梅が絶妙なんです。
たとえば玄関の格子戸は
新しいものに入れ替えつつ、
ポストはレトロな赤いやつ。

玄関土間は新しくきれいに
生まれ変わった一方、
窓の木製サッシや梁はそのままに。
そして、扉と窓からの
やわらかな光がめぐる漆喰の壁。
このなんてことない一角だけで、もう好き。

2023年2月にフルリノベーションした
2階建ての町家。
室内の設備や配管、水回りもすべて
一新したそうですよ。

玄関土間と居室を隔てるのは、
冒頭でも見ていただいたこちらの開口。

おかげで外光が居室にまで届きます。

引き戸を閉めてもこの明るさ。
大きな開口はリノベーション時に
新たに設えたと思われるので、
ガラスの障子戸も
あとからつけたはずなんですが、

ガラスはレトロな型板ガラス。
優美な模様は「きく」でしょうか。
もともとあった建具を利用したのかな、
それともわざわざこの家のために
用意したものなのかな？

居室の床には、肌触りの良い
京都産の北山杉を贅沢に使用。
仕上げに柿渋を塗り込んだとのことで、
経年変化も楽しみです。

逆側のガラス戸からも光が注ぎ、
明るさと風通しは申し分なさそう。
天井にダウンライトが
埋め込まれているのもうれしいかぎり。

そして、お家のなかでも
とりわけ出色なのは、キッチン！

美しすぎると思いませんか？

どこか和の雰囲気もある
スタイリッシュなデザイン、
タイルの色、4口ガスコンロ。
町家にこんなに素敵になじむ
システムキッチン、見たことない！

階段周りのデザインも
何気にかわいいじゃないの…
などと思いつつ、2階へ。

こちらも二面採光の明るい空間です。

1階よりモダンで
オーソドックスかなと思いきや、
見上げると、

ワイルド〜！
このバランス感覚がたまりません！

水回りも新しくなっており、
お風呂はピカピカのオールホワイト、

トイレもコンパクトながら
こだわりを感じる設えで、

洗面台はよく見えないけれど
きっとやっぱり素敵なんだろうな。

洗面室の床を三和土で仕上げる
徹底ぶりです。

家中のディテールを眺めたうえで、
最初に大きな開口と木製サッシの窓を見て
ピンときた直感は間違えてなかったと
うれしくなる、そんなお家。
賃貸ではめずらしく
猫ちゃんの飼育OKだそうですよ。
連絡事項があるそうなので、
気になった方はぜひお問い合わせを。