ビンテージ感が漂う カーペット敷きのお部屋の一角。 ガラスがはめ込まれた 美しい木製の間仕切りの向こうには なんとも魅惑的な空間が 広がっているのでした。

池尻大橋駅から徒歩8分、 閑静な住宅街に建つマンションの 最上階角部屋。

周囲から目線を遮るように 壁に囲われた共用部は 住人たちだけの秘密の場所のようで なんだか素敵。

1LDKということになりますが あの特別な空間によって 1SLDK、といった印象。

まずは玄関からどうぞ。 高級感のあるタイル仕上げの床に 大きな鏡。 お出掛け前はここに立って 身だしなみの最終チェック。 くるりと回って 後ろ姿まで抜かりなく。

室内に入ってすぐ、 水回りがありますよ。 全体的に白を基調とした 清潔感の中に かわいらしさが散りばめられた内装です。 洗面台の収納の充実っぷりは ありがたい限り。

そしてこちらがリビング！ と、気になるあの小部屋。 ゆったりとしたリビングは カーペットと折上げ天井の組み合わせで 重厚ささえ感じられます。 とことん堪能したいところですが 兎にも角にもガラスの向こう側、 クローゼットスペースが 気になって仕方がない。

さあさあ、じっくりご覧あれ。 あらゆる幅、高さの棚に ちょっとした場所にもハンガーパイプ。 お気に入りのお洋服に バッグに、靴に、スカーフに。 とことんこだわって ディスプレイしたいでしょう？ 玄関にシュークロークがなかったけれど それも納得。 だって身に着けるものたちは みんなここに飾りたいから。

扉、ではないのだけれど リビングから誘うかのように 開いた扉を思わせる形状で L字に設置された袖壁がまた良いんです。 このL字の内側が リビングから死角になるのもポイントかも。 大切、だけれど飾るわけにはいかない こまごまとしたあれこれは この辺りにチェストを設置して ひっそりと仕舞いこむことができますから。

さて、リビングに戻りまして 隅っこにはキッチンが。 控えめに佇んでいるけれど こんなに美しいキッチンなら もっと前面に出てきてくれてもいいのに、 と思ってしまいます。

フレンチシックな白の扉に スタイリッシュなステンレスのコンロ。 ベージュのタイルのおかげで パキっとしすぎないやわらかい印象です。

寝室にぴったりの洋室も。 玄関から入って左側、 リビングからは 廊下を挟んで独立しています。 こんなところにも ちょっとしたクローゼットがあるの、 気が利いています。 どんなに大きなクローゼットがあったって やっぱりそれぞれのお部屋に 置いておきたいものってありますよね。

眺めていると胸が高まるばかりの クローゼットから少し離れて ゆっくり身体を休めましょう。

そしてこちらが隠れ目玉、 ルーフバルコニーです。 これだけで主役を張れるくらいの ワイドスペース。 セルフクリーニングをしたお洋服を たっぷり干せるし お家ピクニックだってできちゃう。 暮らしの楽しみが ますます広がります。

まぁ、何につけても この夢のようなクローゼットの構築から 始めてみようかな。 とびっきりのお気に入りたちを いつだって眺められるように。 襟の形や素材が少しずつ違う、 たくさんの白いシャツ。 履く機会が少ないと分かっていても 憧れが勝って手に入れたハイヒール。 古着屋さんで出会ったスカーフに 学生の頃から ずっと1軍のワンピース。 みんなみんな飾ってあげる。 わたしの、わたしによる、 わたしのためのセレクトショップにね。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。16年で9回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。 @hs_ryk