剥き出しの梁や柱など 木部の味わいを活かした 飾りすぎないリノベーション。 昭和のお家らしさが残る 肩肘張らない雰囲気に惹かれました。

淡いミントグリーンに木製の窓枠、 寄り添うような小さな街灯。 お家の見た目から、しみじみ良い…。

ブロック塀が取り除かれたことで オープンな印象に生まれ変わった外観。

モルタルで足元を整えたり 戸袋をきれいに塗装したりと 部分的に手を加えるだけでも ぐっと垢抜けて見えるのですね。

専有面積52.73㎡の一軒家は フルリノベーションされてから 4年ほど経つのだとか。

住居としてはもちろん 住居兼事務所の利用も可能です。 事務所のみの利用はできませんが 職住一体の暮らしが叶えられますよ。

玄関の右側に位置するキッチンは 天井や壁と同化するホワイトの吊り戸棚や 下部がぽっかり空いたカウンターなど 抜け感の出し方がお見事。

コンロは2くちで 無骨なステンレスの ワークトップがかっこいい！ 玄関との仕切り壁には 市松模様の型板ガラスが あしらわれています。

キッチンの反対側にあるのは 事務所やワークスペースに ちょうど良さそうな広さ7帖の洋室。 つるんとした無機質な床は キャスター付きの椅子なんかも ストレスなく使えそうです。

窓は通りに面していますが 上段以外がすりガラスなので 外からの視線を気にせずに 作業に集中できますよ。

押入れだった部分には デスクを置いたり ジョイントラックなどで 自分仕様の収納を作ったりしても。

玄関正面の階段で 上階へ移動してみると…

2階は仕切りのない12帖の空間。 温かみのある木目のフローリングが 気持ちのオンとオフを 切り替えてくれそうです。

この天井高、たまりませんね…！ 南向きの掃き出し窓をはじめ 三面に窓があるので 採光は十分に取れますし 風もよく通り抜けそうです。

クローゼットとして使えそうな 収納も備わっていますね。 左側のスペースには 大きめのベッドを置いて ランプの灯りの下で 静かに読書に勤しみたい…。

階段の反対側には可愛らしい戸棚が。 アクセサリーなどの 服飾小物を並べておけば スムーズに身支度できそうです。

周辺は落ち着いた住宅街。 レトロな窓越しに眺める 夕暮れ時の街並みは まるでひと昔前の時代に タイムスリップしたかのような なんとも言えない懐かしさです。

バルコニー側は視線の先が抜けていて ところどころに緑が見えるのも うれしいですね。

窓は昔ながらの木製サッシなので 外気の影響は受けやすいと思われます。 2階はガスヒーターも使えるそうですが 夏場や冬場は工夫が必要かもしれません。

サニタリーは階段の近くに まとまっているようです。 まずは手前の洗面脱衣所から 見てみましょう。

すりガラスの引き戸の先には 丸いミラーの造作洗面台。 コンパクトながら棚があるのが ありがたいですね。 洗濯機置き場は小窓の下に。

お風呂は浴槽がなく シャワー室のみとなっています。 湯船に浸かりたいときは 近場の銭湯へ繰り出しましょう。

木部まで白く塗られた爽やかなトイレは 暖房機能付きの便座に 取り替えられているんですって。

最寄駅は東急東横線の白楽駅。 バラックが集まる戦後の闇市から発展した 駅近くの六角橋商店街は、周辺を含め 約170店が軒を連ねているのだとか。

商店街から仲見世通へと進むと…

昭和の香りがさらに色濃く立ち込める ディープな世界が広がっています。

通りには貫禄たっぷりの商店だけでなく 若い方が新しく開いたお店も 立ち並んでいるそうですよ。 元気な商店街が身近にあるって良いなあ。

買い物を済ませて帰路につけば 遠くに見えてくるのは 暖かな光が漏れる愛しの我が家。

街と共に歳を重ねてきた ノスタルジックなこのお家で どんな暮らしをはじめよう？

文・山中みく 香川県出身。古着と映画と旅が好き。 ＠miku_yamanaka