「DIYルーム」と言いましても DIY可というわけではなくて。 このお部屋は 大家さんのお子様たちが 小さい頃、一緒にDIYをして 作り上げた一室なんだそう。 そんな素敵なお部屋に 敬意を持ちながら 暮らしを楽しみたいものです。

裏手に山を背負った 横に長ーいマンションです。

お部屋のベランダからも 家々の向こうに山が望めます。 空の青、山の緑が 常に身近にある毎日。

間取りは、やや変形の1LDK。 玄関の両サイドが 大きくひらけているので ここはアウトドアグッズを並べて リビングは自由に仕切れば、 寝室だってワークスペースだって 生み出せそう。

玄関のアルミサッシ、 たまらないクールさです。 網戸にもできる仕様なので 風が通り抜ける心地よさを 存分に楽しんで。

こちらがメインの広いリビング。 大家さんのように キッチンカウンターでゾーニングしたり アウトドア用品を そのまま室内でも使ったり。 気分よく暮らす工夫をするための 余白がたっぷりある空間です。

大きなソファと 大画面のテレビを置くもよし。 家具は少なめにして 大きな鏡を置いてヨガをするもよし。 上手に仕切って 寝室やお仕事スペースを作るもよし。 でもなるべくなら この伸びやかなフローリングが 映えるような使い方をしたいな。

キッチン側からリビングを眺めたなら 開放感にうっとり。 部屋自体の奥行きに加え 窓の外の景色は 住宅が建ち並びながらも 目線が気にならない距離感が絶妙。

3くちコンロで 使い勝手がよさそうなキッチンには 様々な柄のタイルが張られています。 DIYした時に 家族みんなで選んだのかな。 このタイルが一番お気に入り、とか 子どもの頃は 実はこの柄がこわかったんだよね、とか。 そんな会話が生まれたのかも、と 想像すると心が温かくなりますね。

水回りは 近所の一色海岸を思わせる ブルーが美しい内装。 バスタブこそありませんが マリンスポーツを楽しんだ後に ざっとシャワーを浴びる、というような 海の近くでの暮らしが 鮮やかに思い描けます。

その海へは しおさい公園と 県立近代美術館の間の小道を抜けて。 徐々に顔を出す水面に 心が躍るはず。

大家さんは 「春夏秋冬いつでも楽しめるけど、 一年を通して散歩したくなるのは 夕陽の時間」 と語ったそうです。 この美しさを見たら だれもが納得する気がします。

焚火に花火、 カヌーに釣り。 海辺での暮らしを 余すことなく楽しんで。 時には友達も呼んだりして。

たまには海から離れて ゆっくり緑を楽しむのもいいな。 どちらもあるのが 葉山の何よりの魅力だから。

海も山も このお部屋に積み上げられた思い出も。 まるごと愛せる方と このお部屋が出会えますように、と 心から願っています。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。16年で9回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。 @hs_ryk