この物件に限って言えば
私はリノベーションを推奨しません。
ぜひ今の完成度を活かしつつ、
屋根や床や天井や
木製サッシの入れ替えやらの
“修繕”にとどめてほしい！

築年不詳だそうですが、
お部屋の空気感は極上の昭和のそれ。

それらには基本的に手を加えず
微調整しながら今の暮らしを乗せていく、
っていうのが最高の住まい方でしょう。

ほんと、もう好き！

特にこのキッチンが大好き！！

ジブリ飯が作られそうな
懐かしく可愛いいろいろ。

流しのタイル、引き出しの取手、
換気扇のアンティークなデザイン、
観音開きの白い水屋、
青く塗られた壁面にある大きな窓と
その向こうににじむ緑。

それぞれちょっとずつ時代が異なっていて、
それらが組み合わさっているのがまた良い。

とってつけたように
古めかしく作られたのでなく、
自然に組み合されていった結果
こうなったことが伝わり、ほっこりします。コンロ上に引っ張ってきた照明を筆頭に、
湯沸かし器の場所や
調理器具の置き場なども
どれも当たり前で、自然で。

なので、すわりが良い。
とても良い。


丁寧に積み重ねられた
昭和の暮らしをそのまま閉じ込めて
令和へ持って来たかのような内観と、

修繕され、継ぎ足され、
時代を経てきたであろう外観。

洋風に少し化粧直ししたと思われる玄関も
時の経過をさりげなく伝えてくれます。

そして、渡り廊下でつながる離れ。
こういうものがまだ一般的だった時代。

さらに広々したお庭まであるんです。

敷地は周囲が木々で覆われていて、

きれい剪定したタイミングで
撮った写真はご覧のとおり
抜け感が強いですが、
緑の季節にはそれはきっともう…！

外からの視線も
あまり気にしないで済みそう。

こういう中も外も、その外側まで
パーフェクトな物件、
今探してもなかなかないのですよね。

しかも間取りまで最高という。

古民家ながら、和室だけでなく
用途を考え和洋室が両方あって、

使い勝手の良さそうな
箪笥部屋的な収納スペースも。

リビングにぴったりな洋室は
昭和感満載の素敵なガラス戸を開けると
玄関間とつなげて使えるのも便利。

裏の門をくぐれば
離れの渡り廊下の勝手口的な扉にも
ダイレクトにアクセス可能。

玄関を通らず
離れの出入りが可能であれば
さまざまな使い方ができますよね。

とはいえ、私なら
離れの小さな洋室を
リモートワークの仕事部屋にして、

母屋の7.5帖の洋室を主寝室にするかな。

ちなみに水回りはというと、
トイレはきれいに修繕されている一方、
お風呂はレトロかわいいタイルのまま！

素敵すぎる。
このまま使いたい…！

場所はどこなのよと思ったらば、
大好きな北鎌倉ではないですか。
こういう物件が今も少し残っている町、
それが北鎌倉なんです。

ただね、この物件、
できればこの環境を維持して
建物を使ってくれる方にお譲りしたいと
オーナーさんもご希望だそうですが、
古屋付きの土地物件として販売されていて
建物の不具合に関しては免責となります。

あと、もし建て替えをご希望の場合は、
要セットバックなのと接道が細めで、
再建築時にいくつかハードルが出ます。

なので、できれば建物はそのままに。
この完成度を愛して住んでくれる
素敵な次の持ち主さんに
出会えることを願っています！