大胆なリノベーションで 生まれ変わったお家。 平屋のいいところが ぎゅぎゅっと詰まった かわいらしい一軒家です。

瓦屋根と ガルバリウム鋼板の外壁は 渋さとモダンさを いいバランスで保ってくれる 名コンビ。

北陸地方に多く見られる 「うなぎの寝床」と呼ばれる 奥に長い間取りの形状になっています。 もとは浴室のない3Kだった間取りを 大胆に1LDKへと変更したそう。

引き違いの玄関は できれば「ガラガラ」と 音を鳴らしてくれるといいな、なんて 雰囲気を重視しすぎでしょうか。

中へ足を踏み入れると 土間から少し高さのある 玄関ホールが。 床にこれくらいの段差があると 靴が履きやすかったりと 使い勝手がいいという一面も。

間仕切り戸を開けて 目の前に現れるLDKは 16.8帖の広々空間。

贅沢に使われた無垢床と 木目の腰壁に囲まれた 気持ちのいいお部屋です。

壁付けのキッチンは 横にたっぷりのスペースがあるので 冷蔵庫やカップボードを 余裕をもって並べられそう。

ちょうどいい位置に袖壁があって キッチンスペースと リビングスペースを ゆるりとゾーニングできるのもうれしい。

リビングから出ると まっすぐ伸びる縁側のお出まし。 やっぱり平屋はこうでなくっちゃ、と テンションがぐんぐんあがります。 和室や浴室とリビングを 行き来するたびに 「縁側のある暮らし」を感じられるのは きっと幸せ。

踏み石が敷かれたお庭は 縁側で過ごす時間を より気持ちよくするために 自分なりに手を加えていく、というのも 楽しみのひとつ。 鉢植えも並べたいですよね。 レモンの木なんかどうでしょう。 ぱっと明るいイエローが 映えるような気がします。

お部屋へと戻り 縁側に面した和室はというと 欄間に目透かし天井、 雪見障子といった 趣のある様式が残されています。

なんとも厳かな和室…と思いきや 振り返ると 板の間の壁には かわいらしいピンクのアクセントクロス。 天袋の襖紙には ちょっぴり濃いピンクが使われていて そんな遊び心にも ほっこりと癒されます。

廊下の突き当りには バスルームがあり こちらももちろん入れ替え済み。 お部屋からは距離があるので ふたり暮らしで生活リズムがずれた時も 落ち着いてバスタイムを過ごせそう。

そうそう、トイレは LDKの一角にあるのですが 間取り図に記載の通り 少し奥まった位置なのでご安心を。

テラコッタの床に 木×アイアンのペーパーホルダーは 間違いないセンス。 小ぢんまりとした空間も ぐっと明るい印象に。

この平屋、実は築67年とのことで 長い時を越えてきた大ベテランです。 ちなみに、徒歩１分もかからない場所に 月極の駐車場があるそうで、 車を所有している方も安心です。

この物件があるのは富山県高岡市。 お家のご近所には 日本三大大仏に数えられる高岡大仏や、 日本百名城・国指定史跡の 高岡古城公園が徒歩圏内にあり 地域の文化や歴史に触れながら 生活ができる立地です。

縁側に座ってお茶を飲んで お供はもっぱら歴史本。 学校の授業では習わなかった （……のではなく、私が 聞き逃したかもしれないけれど） 高岡城主・前田利長だって 今なら身近に感じられる。

生まれ変わったお家に住んで 知らなかった歴史に出会う。 過去に思いを馳せている この家に住むあなた自身も 67年建ち続けるこの家の 歴史の1ページになっている。 そんな日々って すごく素敵だと思います。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。16年で9回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。 @hs_ryk