杉の無垢床、漆喰の壁。 そう、このお家は 下地材から内装仕上材、塗料、接着剤、 建具に至るまで 全てに自然素材が使用された こだわりのリノベルームです。

間取りは リビングを中心とした3LDK。 角部屋で三面採光で 全居室窓付き。 さらに間仕切りが障子となっていて 開放すれば空間全体に たっぷりの光が入ります。

玄関に足を踏み入れた瞬間、 贅沢に使われた木材が 目に飛び込んでくるのが なんとも幸せ。

ゆったりと広い廊下は 写真からも 木の香りが 漂ってくる気がするほどです。

注目していただきたいのは リビングに立った時の この開放感。 周りの居室との間仕切りを 開け放つと まるで巨大なワンルームのよう。

北側の洋室まで ぶわーっと広がる大空間。 ここに住んだなら 家具を搬入する前に 全ての間仕切りを開けて 端から端まで転がってやるぞ…なんて 小さくて幼稚な野望を 絶対に叶えたい。

つい開け放ちたくなる建具ですが 閉め切ったって美しい。 見てください、この意匠性を。

畳が使われているのは一部なのに どこか日本家屋を思わせる 清廉な雰囲気は この建具たちが 醸し出していたのかもしれません。

実はこのお家は かつて建築家の方の セカンドハウスとして使用されていたそう。

この建物のすぐ裏手と隣には 安藤忠雄氏設計のマンションがあり 共用廊下やバルコニーから その建築を望むことができるとのこと。 ルーツと言い 環境と言い 建築好きの方にはたまらないのでは。

長ーいダイニングが よく似合うリビングの一角には 壁付けのキッチン。

IHコンロ付きの 機能的なシステムキッチンの正面には お部屋と一体感を醸し出す 造作の棚がついています。

それぞれの居室では 建具や眺望の違いを じっくりと楽しんで。

可動式の畳の上に ごろりと寝転がって よそぐ風を浴びながら 景色をぼーっと眺めたり

机に向かって 集中して作業をする合間に ふと見上げた先の 山の緑でリフレッシュしたり。

ぐーっと伸びをしたくなったら 南側のバルコニーへ出て 圧巻のパノラマの景色で 視界をいっぱいにして。 あぁ、なんて素敵。

どこまでも統一された 落ち着きのあるお家かと思いきや 水回りはちょっとイレギュラー。 全面タイル貼りという 意外性のある抜け感に 改めてセンスのよさを感じます。

ブルーのボーダータイルに すっぽり埋め込まれた浴槽なんて 胸がときめいて仕方がない。 陶器の石鹸置きとか 木の柄がついたボディブラシとか この場に置く小物も ぴったりのものを選び抜きたいな。

六甲の駅から徒歩13分。 急傾斜の上にあり 現在は、 周囲に駐車場の空きがないそう。 うーん、少し大変かしら…と 悩んでしまうところではありますが。

坂をのぼって たどり着いたお家から見えるのが この景色ならば 頑張る甲斐もあるってものです。

その前に、お部屋に入って 自然素材に囲まれているだけで 疲れはあっという間に癒されるかも。

隅々までに及ぶ オーナーさんのこだわりの全てに よろこびを感じられる方が このお家に出会えることを 願ってやみません。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。10年で8回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。 @hs_ryk