スキップフロアといえば 廊下が少なくなる、 開放的な空間になる、など 様々な特徴がある工法です。 中でも一番のメリットは 「楽しい空間になる」 というところではないでしょうか？

まずは間取り図を確認しましょう。 1階に玄関や寝室、 中2階にダイニングキッチン、 2階にリビングやサニタリースペース そして半地下に倉庫という構成です。 倉庫の写真はないのですが、 12帖以上の大空間ですので 季節ものからアウトドア用品まで 安心して収納しておけそう。

2つの高さの異なるボリュームが並んだ スキップフロアならではの外観。 台形の敷地に沿うような 複雑な形状の建物ですが、 2枚の大屋根がそれをシンプルに 見せています。

黒いガルバリウムをベースに、 白のアクセントが爽やかな玄関。 ウッディな玄関ドアもすてきですね。

1つのお部屋ほどの広さがある ビッグサイズの玄関。 OSB合板のラフな質感が 良い味を出していますね。 OSBは釘やビスを打っても 跡が目立ちにくいので、 DIYで棚などを取り付けて、 自分好みに拡張していくのも 面白そうです。

1階の奥にある寝室は、 ウッディなアクセントウォールと 少し暗めの色の天井が落ち着いた 雰囲気を醸し出す10.8帖。 東向きのお庭に向かって大きな窓が とられているので、朝も気持ちよく 目覚められそうですね。

寝室を出るとすぐ隣には階段が。 踊り場にはベンチも設けられており、 ただの移動のための動線ではなく、 居どころの1つにもなっています。

そんな踊り場からつながるのが こちらのダイニングキッチン。 上下に見え隠れする空間に なんだかワクワクしてきちゃいます。 視線が斜めに抜けていく分、 同じ面積のフラットな空間よりも さらに広さを感じますね。 構造を現しにした高い天井も、 開放感を演出しています。

キッチンは珍しい正方形の アイランド型になっています。 周囲をくるくると回りながら 凝った料理を作ったり、 時には出来上がったものを その場でさっと食べたり。 広い天板は時間に余裕があるときも 忙しい時も便利に使えそうです。

ダイニングの大きな窓の先には 三角形のウッドデッキが広がります。 ガーデニングやBBQなど様々な用途で 活用できそうな空間です。 天気の良い日は青空の下で 食事をするのもまた格別ですね。

ダイニングから半階上がった先が こちらのリビング。 ダイニングよりの天井高を下げ、 おこもり感のある落ち着いた 空間になっています。 床のレベルで区切られながら、 空間自体はゆるやかにつながっている というスキップフロアらしい 空間となっていますね。

奥に見えるのは4帖の洋室。 リビング直結なので子ども部屋にも ぴったりですね。 手前にある空間は、図面では「小間」 となっているのでカーペットの下は 畳敷きでしょうか？ リビング横の和室のように使えそうな かわいらしいスペースになりそうです。

リビングのお隣にはトイレや バスルームなどのサニタリースペースが まとめられています。 フレームや鏡の スクエアなデザインと、 清潔感のあるサブウェイタイルが 良い取り合わせですね。

スキップフロアだけにとどまらず 大きな玄関やウッドデッキなど 遊び心溢れる仕掛けがたっぷり。 特別な日もそうでない日も、 毎日が楽しくなりそうな すてきなおうちでした。

文・佐藤シュン 浜松で設計事務所をやりながら、黒猫と暮らしています。