建築家作品の不動産売買サイト 「建築家住宅手帖」の編集長で、 建築メディエイターの 佐竹雄太氏率いる アラウンドアーキテクチャー。

そして、リノベーションオブザイヤー 最優秀賞（2022年）の経歴を持つ 建築家・伯耆原洋太氏。

大阪を中心に建築家作品の 施工を数多く手掛ける工務店 コムウト。

この三者と、 都市型賃貸マンションを展開する 大阪ガス都市開発さんという 類まれなコラボで生まれた リノベーション物件です。

こうした背景も、住まいに唯一無二の クオリティを求める高感度な方には たまらない要素ではないでしょうか。 一体どのような空間が 出来上がると想像しますか？

その舞台は、大阪城からほど近い 森之宮スカイガーデンハウス。 数々の集合住宅を手掛ける 建築家・遠藤剛生氏の初期の名作です。

その名の通り、建物の5階には スカイガーデンが広がります。 ここまでゆとりのある共用空間は、 今のマンションでは あまり見られないですよね。

仕事を終えて部屋に帰る前に 一旦ここでクールダウン。 夜風でほっと心がほどけるひととき…。 凪いだ気持ちで帰りたいものです。

分棟状に配置された各世帯と それらをつなぐ軽やかなデッキ部分。 コンクリートの素地と吹付け塗装や 亜鉛鋼板を組み合わせたファサードは、 経年によってより味わい深く、 親しみやすい表情へと変化しています。

共用部や外観も素晴らしいですが、 お部屋もさらに素晴らしい。 特徴的なコーナーサッシに、 梁下から床まで大きくとられた 開口部など、もともとのお部屋の ポテンシャルの高さが伝わる空間です。

お部屋の中央部分だけ天井を下げ、 その部分を暗い色味としています。 さらにその部分に間接照明を 設けることで、ワンルームの中に 高さや明暗にメリハリをつけています。 モノトーンの家具で統一して いっそこの部屋に溶け込んでしまおうか。 それともヴィンテージ家具を揃えて 絶妙なバランス感を出していくか。 インテリア選びがはかどりそう。

特筆すべきは、コーナーサッシ部分に 設けられたビューカウンター。 リモートワークにも最適のスペースです。 部屋でまったり過ごしていても、 開放的な窓辺から街を見渡した途端、 心と体のスイッチが入るはず。 個人的には晩酌の特等席がいいかな。 夜の帳を眺めながらグラスを傾ける。 そんな静かで贅沢な時間を自室で。

お部屋のベースカラーと同系色で まとめられたキッチンは、 ビューカウンターのお隣に。 アイデアに煮詰まったときや 読書の合間のリフレッシュには 淹れたてコーヒーを。 晩酌には、もう一杯…がすぐそこに。

床は天然素材のリノリウム、 壁はヘイムス塗装という 金属や左官のような仕上がりの 塗装となっています。 まっ白できれいなお部屋よりも、 色味やムラのあるお部屋の方が 愛着も沸いて落ち着くような 気がしませんか？

既存の巾木まで壁と同じ色で 塗装しているので、 空間がよりシャープに感じられます。 真っ白ではなく、素材の持つ 魅力が伝わるテクスチャーは、 建物のファサードとも 呼応しているように感じますね。

お部屋の奥側の壁には オープンクローゼットを造作。 下部にはお手持ちの棚などを 置いてもいいかも。

さらにその奥には ウォークインクローゼットも。 こちらの空間は照明やコンセントも 設けられており、ワークスペースの ようにも使えるようになっています。

……なるほど、ということは、 集中できること間違いなしの この空間をワークスペース専用に。 とっておきのビューカウンターは 読書をしたり、お酒を楽しむ専用… でも景色を見て仕事したい日もあるし。 そんな悩み方がうれしい。

もともと1DKだったお部屋を 全てつなげてワンルームに。 玄関とお部屋の間の建具も 取り払うことで、 玄関ドアを開けるとコーナーサッシが まず目に飛び込んでくる 印象的な空間となっています。

（※イメージ画像。家具は付帯しません） 友だちを部屋に招いたときも 一番に「この窓辺、いいね」とほめられるはず。 なにより、自分が家に帰ってきたときに この窓辺が目に入るのが一番うれしい。

眼下に広がるのは森ノ宮の町並み。 大阪メトロ中央線とJR大阪環状線の 2wayアクセスで、 梅田、本町エリアまで直結。

とくに推したいのは近隣の環境です。 大阪城公園でのジョギングは最高だし、 ショッピングはもりのみやキューズモールで。 COOL JAPAN PARK OSAKAや 森ノ宮ピロティホールといった、 質の高いイベントや演劇が行われる 大型ホールがすぐそこ。 ときにはクロスバイクを走らせて ミナミに出るのもいいですね。 そんな洗練されたアクティブな暮らしが 叶う街に誕生した、 建築家らによるコラボレーション物件。 刺さった方、きっといますよね？

文・佐藤シュン 浜松で設計事務所をやりながら、黒猫と暮らしています。