木々に囲まれたかわいい平屋。
真っ白の外壁に三角屋根、
屋根は瓦葺きのようだから
『大草原の小さな家』の
日本版があればこんな感じ？

少し離れて見ると
思った以上に自然豊かな環境。
これは『大草原の小さな家』というより
前作の『大きな森の小さな家』に近いかも。
大きな森の小さな平屋、ですね。

とはいえ場所は山奥や里山ではなく
神戸市西区の押部谷エリア。
利便性の高い土地とは言えませんが、
意外にも最寄り駅からは歩いて約15分。
神戸市街までは電車で1時間ほど、
道路が空いていれば車で30分ほど。
余裕で通勤圏内です。

3K、71㎡のこぢんまりしたお家と
思いきや、なんと1150㎡の土地付き。
広めの畑スペースもありますよ。

まずは気になるお家から
見てまいりましょう。
表の引き戸を開けると、

どどーんと広い玄関土間。
昔ながらの長式台のある広い空間は
一周回ってむしろ現代的。
自転車やアウトドアギアを
自由に置いちゃいましょう。

これまた昔ながらの舞良戸を開けて
畳スペースへ上がると、
まあ、紅葉が描かれた素敵な襖！
奥に見える床の間には
時計が描かれていますね。

じつはこのお家、現オーナーさんが
内装はDIYで改修してくれたそう。
このように良い雰囲気の
洋室もあるんです。

木々が窓の外に迫る2面採光で、
ダイニングにぴったりじゃないかな。
ここで朝ごはん食べたい。

光がたっぷり注ぐ縁側も自慢です。
ぽかぽかの日差しを浴びて、
うとうとしながら読書したり
淹れたてのコーヒーを飲んだり。
お昼間の特等席になる予感。

窓の外には電車の車両基地が。
小さい男児が見たら
歓喜すること間違いなし。

和室からの眺めもたまりませんねえ。

紅葉柄の障子紙もオーナーさんが
張り替えてくれたのかしら。
襖のデザインとのリンクに
こだわりを感じます。

一方、手つかずの部分もそれなりに
残っていまして、まずはお風呂。
そう、めちゃくちゃ広いんです。

小石風のレトロなタイルもキュートだし
このまま使いたいところですが、
浴槽が小ぶりかつ動作未確認とのこと。
問題なく動くのであれば、
もちろんこのまま使ってOKですよ。

キッチンもほんのりレトロ、
ひろびろして使いやすそうですが、
お風呂と同じく動作未確認。
頼む、動いておくれ…！

こちらは元々のオーナーさんが
お茶の教室に使っていた名残だそう。
なるほど、茶室の水屋ですね！
水道も水皿もあるようだから、
竹簀子を敷けばふたたび
茶屋の水屋として使えるのでは？
お茶の設備付きの平屋、
逆にありがたいのですが。

舞良戸や収納扉などの建具は
動かなかったり閉まらなかったりするため
調整が必要とのこと。
この収納も味わい深いですからね、
できれば修理して使いたい。

そしてお家の外へ出たら、
畑スペースその1と

畑スペースその2。
これだけ広さがあれば、
本格的な家庭菜園ができちゃいますね。そのほか、敷地にはさまざまな木々や
斜面地も含まれ、それはそれでうれしい反面、
管理にはそれなりの手間がかかります。

だたし、最大のネックは駐車場がなく、
近隣にも月極駐車場などがないこと。
現オーナー曰く、隣家の方の好意で
一時的な駐車スペースは
貸していただけるかもしれない、
とのことなので、地域との関わりを
楽しめる方向けのお家ですね。
（ちなみに堀込駐車場をつくる場合の
予算は500万円程度が目安だそう）

そんなネガティブポイントを
差し引いてもなお魅力的な、
大きな森の小さな平屋。
いつかこんな環境で
暮らしたかったという人はもちろん、
セカンドハウスや別荘としても。
住環境を整え、自分の色が
染みつきはじめたら最後、
離れられなくなりそうなお家です。