遺伝子レベルで落ち着く 昭和の木造住宅のエッセンスが ちょうどいい分量で 残されたリノベーションです。

木製の玄関ドアに雨戸、 破風や軒天がしっかりと存在感を示す 三角屋根。 ディテールは日本家屋のそれですが ニュアンスのあるカラーでおめかしされて 唯一無二の雰囲気が漂います。

2階建ての3LDKは 廊下、脱衣所、LDKを ぐるりと回遊できます。

さ、板チョコみたいな レトロな玄関扉を開けて 早速お部屋の中を見てみましょう。

このルックスはやっぱり シューズボックス、というより 下駄箱とお呼びしたい。 2面からたっぷり光が入る 明るい玄関は 晴れやかな気分でお出掛けできそうです。

玄関に入って正面の 廊下の突き当りには収納が。

玄関からはもちろん 脱衣所からもリビングからも アクセスのいい場所なので 家族みんなが使うものを 片付けるのに便利です。

リビングへと足を踏み入れると じわり、あたたかな空気感。 和室の名残を感じさせる ラミネート天井や むき出しの柱と板張りの壁が 絶妙に溶け合います。

フローリングだけれど ちゃぶ台がよくお似合い。

キッチン側は お家に古民家カフェができました、 といった装い。 こっくり深い色の木目と ブラックのライティングレールが なんとも好相性。

ゆったりワイドサイズのキッチンなら お料理も捗ります。 朝はコーヒーに合わせてフレンチトースト、 ティータイムは日本茶に合わせて どら焼きでも作ってみようか、なんて 思い切ったメニューにも チャレンジしたくなる。

背面には、窓や壁に合わせた 造作家具がずらり。 使ってよし、眺めてよし。 そんな家電や食器をぴっちり並べましょ。

キッチン越しの眺めの おだやかなこと。 壁を抜いて開放感を持たせつつ 格子状に残された棚は それだけでいいアクセントになります。

1階には独立した和室も。 玄関を入ってすぐのお部屋なので 客間としても活躍してくれる予感。

水回りは1階にまとまっています。 スクエアの洗面ボウルは ほっこり空間を きゅっと引き締めてくれる存在。

一坪サイズのお風呂は おそらくほとんどの人が 足を伸ばして リラックスできるはず。

トイレはL字の手すり付き。 これはですね 若い方でも ちょっと腰をいためちゃった時とか とてもとてもいいですよ。

2階には洋室が2部屋。 こちらは6帖の洋室です。 どちらのお部屋も二面採光、 収納も充実。 2部屋ともプレーンな長方形で 寝室としても子ども部屋としても 使いやすい形状です。

あぁ、収納の扉から醸し出される ノスタルジーよ。 幼い頃に貼ったシールが うっすら変色しても残っていて ある年齢から たまらなく愛おしくなる、 あの扉と同じタイプ。

お部屋の隅々まで リノベーションの手が 行き届いていながらも どこにいたって感じられる そこはかとないレトロ感。 おしゃれなインテリアを 決して邪魔しないぐらいの ちょうどいい分量が どこまでも心地よいお部屋です。

ルームツアー動画はこちらから。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。10年で8回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。 @hs_ryk