格子の窓やドアから おだやかな光が差し込む モダンな佇まいの土間。

2023年1月に フルリノベーションされたという 京町家をご紹介します。

場所は京都市伏見区。 京阪本線の淀駅まで徒歩9分ほどの 桂川と宇治川の間に位置するエリアです。

長円寺や淀の河津桜、藤棚、釣り堀など ちょっとしたお出かけが楽しくなるような スポットにもほど近いのだとか。

パリッとフレッシュな面持ちの外観は 玄関扉と窓の縦格子が美しく ついまじまじと見つめてしまいます。

町家らしい配置はそのままに 現代の暮らしに合わせた フローリングメインの 間取りにチェンジ。 2LDKの家屋の奥には なが〜いお庭もあるんです！

ゆったり5帖の玄関土間は お客様をもてなしたり 自転車を乗り入れたり。 DIYなんかもできちゃいそうな 余裕がありますね。

凛とした佇まいの窓辺は 足元にコンセントがあるので ちょっとしたPC作業なんかも捗ります。

遊び心を感じる立体的な ウッドパネルも素敵です。 踏み石を越えて室内に進むと

まず目に飛び込んできたのは ナチュラルな木目のキッチン。

設備はもちろん新しく 快適に調理ができそうです。 冷蔵庫はシンクの右側に。

背面に設けられた階段下の棚は パントリーとして使ったり コーヒーマシンなんかを置いて ドリンクカウンター風にしたり。

塗壁に囲まれた18帖のLDKは 手仕事ならではの味わいと ぬくもりに満ちています。

落ち着きのあるダークカラーの天井は 一部が吹き抜けになっていました。 高窓からも光が降り注いで 気持ち良さそう！

反対側のアングルも良いですね。 高い天井につられて すうっと背筋が伸びそうだ…。

レトロな建具の先には 庭へと続く縁側があります。

高さのある植木のおかげで 周囲からの視線を気にせず 心置きなく寛げそうです。

砂利が敷かれた庭を進んで

手すり付きの階段を降りると…

目前に広がるのは 長さ25メートル越えのロングな敷地！ このスペース、どう使いましょう？

家庭菜園やガーデニングに ゴルフのパター練習やキャンプ。 ドッグランにもできそうだなぁ。

尻尾を振りながら 階段を駆け降りてくる 愛犬の姿が目に浮かぶようです。

室内に戻りまして縁側の 左側にまとまっているサニタリーへ。

洗面脱衣所はつやつやタイルの アクセントウォールが とってもおしゃれ！

深いくすみカラーと 木部の色味が相性抜群です。 横長いミラーや 引き出し付きのカウンターも 使いやすそうですね。

おこもり感のあるトイレは シックな雰囲気です。

続いて階段を上がって2階へ。

梁や長押がダイナミックに交錯する 洋室は広さ10帖。 デスクや棚を置いて書斎にしたり ベッド派さんは寝室にしたりしても。

引き戸横の間仕切りは みずみずしい模様が入ったガラスが うっとりしてしまう麗しさです…。

収納は押入れとクローゼットが 並んでいてたっぷり仕舞えます。 物の場所がまとまっていることで 管理もしやすいでしょうね。

節や木目の表情がリビングの床板とは 異なるところにもこだわりを感じます。 洋室の奥へ進むと…

窓辺の板間が旅館を彷彿とさせる 縁無し畳の六畳間が。

くり抜かれた跡が残る柱たちは このお家の歴史をずっと 見守ってきたのでしょうね。

天井の開放感にマッチする シンプルなつくりの床の間も好きだなぁ。

内装工事にくわえて 構造補強や断熱工事などが 施されているので 安心して長く暮らせそうです。

モダンな要素が見事に溶け込んだ 見事なリノベーションでしたね。 端正で潔い佇まいと 広い土間や庭が秘める可能性に すっかり魅了されてしまいました。

文・山中みく 香川県出身のイラストレーター。海と山の近くに住んでいます。古着と映画と旅が好き。 ＠miku_yamanaka