全国のアールが効いた間取り図好きの 皆さま、お待たせしました。 久しぶりに見事なアールが登場です！ 半円状で12帖のリビングとなると さぞかし優雅なことと想像されますが…

なるほど！ 堂々たるアールっぷり！ 合計8つの窓がなんとも素敵。

外から見ても素晴らしい丸みですよ。 グレーとブラウンの縞々で どことなくレトロな雰囲気も漂います。

玄関から順番に見ていきましょう。 わあ！ 共用部もすてきすてき！ まあるい外灯にレンガのタイル。 コンクリートのあらわしも良き！ モールディングが施された白い玄関扉が レトロ感をよりいっそう 高めてくれています。

内側はシンプルに。 白色がモルタル調の三和土に映えますねえ。

三和土はしっかりと広さがあり 端っこには靴箱を置けそう。

玄関から廊下は直角の位置にあるので 来訪者から視線がさえぎられています。

いま一度間取り図を確認。 ふたり暮らしも叶いそうな ちょうどいい1LDK。 廊下をはさんで左側にサニタリー。 突き当りはリビング、右側には直接 キッチンに出入りできる扉があり、 回遊性があるのもユニークです。

それではいざ、リビングへ。 すりガラスの入ったブラウンの扉が キッチンの天井と合わせてクラシカルで これもまた良きポイント。

窓が、窓がいっぱいだー！ オープンの対面キッチンは お部屋が見渡せて気持ちよく 料理ができそう。

ホワイトのシステムキッチンには グリル付き3くちコンロに カウンターテーブルとしても使える 広い天板。 お料理がきっとはかどるでしょうね。

キッチンの背面が広くとられていて 冷蔵庫や背の高い食器棚も置けそう。

窓が多い分、光にあふれるリビング。 お部屋の丸みに合わせて 丸いテーブルを置きたいな。

お行儀よく並ぶ小窓はすべて 縦すべり出し窓で、換気の際には 風を効率よく取り込めます。

反対側の壁にはレンガ柄の アクセントクロス。 手前には大きな窓も。 こちら東が主な向きになりますが、 これだけ窓があると、採光面は 心配しなくてよさそう。

半円側から見ても、 レトロで落ち着いた雰囲気が 大変好ましい……。 革張りのソファーが似合いそうだなあ。

リビングのお隣には6帖の洋室。 こちらにも大きな窓がありました。

窓の向こうは室外機置場なので 換気用窓として使いましょうかね。

お部屋にはグレーのアクセントクロスが 使われていて、おしゃれに 仕上がっています。

反対側にはオープンクローゼット。 高い位置にハンガーポールがあり 収納力が大いに期待できそう。 手持ちのシェルフも置けそうです。 アクセントクロス側にベッドを置いて、 こちらには衣類。 住んだ時のイメージが容易に浮かびます。

サニタリーは玄関脇に ぎゅっとまとまっています。 リビングから廊下へ出て、

左側の引き戸を開けると ほどよい広さの洗面室。

丸みのあるシンプルな洗面ボウルが 学校の実験室を思い起こさせます。

鏡の裏はキャビネットに なっていて、使い心地は現代風。

ブラックのアクセント壁できりりと しゃれた浴室。

足が伸ばせる大きさの浴槽がうれしいな。

トイレはちゃあんと 洗面・浴室とは別になっています。 温水洗浄便座付きですよ。

ところで、玄関三和土のところに ガラス戸があったことは 気がついておられましたか？

こちらを開けるとベランダに なっているんです。

建物に囲まれて陽当たりや眺望は 残念ながら今ひとつなので、 洗濯物は乾燥機を用意したほうが良さそう。 でも、なんだか秘密の自分だけの 居場所といったおもむき。 風とふれあえる屋外スペースが あるのは、やっぱりうれしいものですね。

場所は、天王寺区上町筋沿い。 大阪メトロ谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅 から、歩いて9分ほどの距離です。

近くにには、聖徳太子が建立したと 伝えられている四天王寺。 広大な敷地に五重塔や伽藍が建ち並び 近隣の住人からは親しみをこめて 「四天王寺さん」と呼ばれています。 毎月21日（大師会）と22日（太子会）は 露店がひしめく縁日が開催され、 それもまた日々のお楽しみになりそう。

便利な立地に暮らしやすさと アールの効いた間取りも抜群な リノベーションのお部屋。 いいなあいいなあ。住みたいなあ。

文・葱山紫蘇子 大阪で娘3人息子1人と暮らす独り身。元劇団維新派役者竹山らいち、元ミニシアター従業員、元介護職。建物と書き出し小説と漫画と毛布のヘリが大好き。 Lit.Link