山小屋を思わせるような内装が 実にそそられる、元喫茶店。 什器を入れずとも、もうこの時点で すでにいい雰囲気に仕上がっていて 素晴らしい。 物件ファンファンの皆様は きっときっとお好きですよね？

通りに面した連続するアーチ窓に 漆喰風の白い壁。 レンガの腰壁や 重厚な木の梁の存在感も頼もしい。

カウンター上の、ガラスの照明も 見事にマッチしています。 写真の右側、カウンター奥の 造り付け棚にご注目。 鮮やかな深紅の背面がちらりと 見えていますね。 この内装にこの紅は言うこと無しの 組み合わせで、ほれぼれします。

客席もなかなか広い。 こちらの空間はソファー席にして 特別感を出すのも良さそうです。 パーテーションの鉄柵も優美で 手が込んでいる。

壁にはこんなアートが 飾られていました。 コーヒー農園の景色が描かれた 銅板レリーフはよく見かけますが、 こちらは端正なお顔に ブドウの実と、珍しい。 ギリシャ神話に出てくる 豊穣の神がモチーフかしらん。 格調高く豊かな気持ちになりますね。

カウンターの内側は、お客さんと 目線が合い、会話が弾むように 一段下がったつくりになっています。

カウンターは年季の入った銅板製。 きっと、大勢の常連さんに 愛されたんだろうな。 使い込まれた傷が愛おしく 感じられます。

以前もオーナーさんが長年、 大切に育んできた喫茶空間。 家主さんは、できれば喫茶店として 営業してくれる方が入ってくれたら いいなあ、と希望されているとのこと。 （もちろん喫茶店以外の業種も 大歓迎です）

遅ればせながら間取り図を。 バックヤード込みで56.08㎡（約17坪弱）。

バックヤードは 事務所として使えそうな 昭和の面影残るウッディなスペースに、

調理ができる厨房スペース。

天井にはこんな、レトロなスピーカー が埋め込まれていたりします。 まだ使えるのかなあ…。

掲載元によると、空調などの設備機器は さすがに再利用できないとのこと。 また、その他の設備および造作は 残置物扱いだそうです。

とはいえ、磨けば光りそうないぶし銀が たくさん残されていますよ。

外観もかわいらしいですね！ 外壁と屋根などの外回りは、この先も 長く保つように、当初のたたずまいを 残しながら、このたび補修 されたそうです。

場所は大阪、JR阪和線、南田辺駅から 徒歩2分。大阪メトロ、田辺・西田辺の 両駅からもほど近く、住宅街ながらも 人通りが期待できます。 角地ですし、ランドマーク的な 名物喫茶店になりそうな予感。

香り高いコーヒーと憩いのひと時を 楽しめる、静かな名店。 いやでも、 扉を開ければカランコロンと鐘が鳴り 「今日のミックスジュースは とびきり新鮮やで～」 なんて声が聞こえる、 庶民派愛され喫茶店もいいなあ。

我こそはと思われる新しいマスターを お待ちしております！

文・葱山紫蘇子 大阪で娘3人息子1人と暮らす独り身。元劇団維新派役者竹山らいち、元ミニシアター従業員、元介護職。建物と書き出し小説と漫画と毛布のヘリが大好き。 Lit.Link