なんともちんまりかわいい平屋です。
だけど立派な屋根瓦に、
いい感じに年季の入った板壁。
この外観だけで、もう、好き。
なんとあと2年程で築100年を迎えるのです。
サッシもアルミに変えられることなく、
よくぞ、残っててくれましたねぇ…。

まぁまぁ、間取りもちんまりと。
ある意味、贅沢ですよね？
一人暮らしのアパートくらいのサイズ、
なのに、一戸建てって。

玄関入って広い土間というのも
古い建物ならではの余裕ですよね。
しかも素敵な建具たちが出迎えてくれる…！

磨りガラスを通る柔らかい光。
外から見ると玄関上にトタン部分が
あったのですが、そこからも光が
入ってくるおかげで明るいです。
レトロガラスの建具好きとしては
3面を囲われてるここは
既にたまらない空間です…。
ここに「ただいま」って帰れる幸せ。

土間の横には3帖の畳の部屋。
京町家のミセノマに当たる所ですね。
丸いちゃぶ台を置きたくなります。

あああ、道に面した窓もとても良い。
小瓶に花を一輪挿して置こう。
向こうに松が見えるってのも乙ですね。
壁の左の方にある小さな穴…
あれはもしや郵便受け？

やっぱりそうだ！
投函されてそのままポトリと部屋に。
玄関に落ちるのと違って汚れないし
ものぐさとしては、ポストに行かずとも
ダイレクトイン！なの、助かる。
文通友達を作りたくなるな、
あえてこの時代に。

風情ある下地窓、渋いです。
今でいう室内窓みたいな。

真ん中のこのフローリングの間は
リフォームされたのかな。
でも木戸の押し入れはそのまま。

振り向けば小さめの台所。
必要最小限、コンロを置けば十分かなと。

そして一番奥の和室。
畳は綺麗にされてるし、落ち着くなぁ…。
古道具店で出会った小さな棚を置きたい。
あの吊り床の下に机を置けば
小さな仕事場になりそう。
（ワークスペースと言いたくない）
アンティークなミシン台なんかも似合う。

さらに小さな縁側もあるのが最高！
座布団ポンと置けば、そこはもう
自分だけの癒しと寛ぎのスペース。

窓の先には、小さいけれど、中庭。
殺風景だけれど、色んな植栽を置いたら
小さな憩いの庭になるんでないかしら。

この中庭を挟むようにして
廊下の両端に

お風呂場と

トイレがあります。
もともと風呂トイレなしだったか、
汲み取り式だったであろうものを
リフォームしたのでしょうか。
現代っ子は助かります。

十分すぎる！と言いたくなりますよ。
実はすぐそばに
大徳寺温泉という銭湯もあるんです。
たまには広いお風呂に、
ザブンと入りに行ってみようかしら。
近所の人との交流も生まれたりして、
自分が町に溶け込んでいくのを感じて。

昔ながらの家々、古い商店が並ぶ町には
ゆったりとした空気が流れます。

そんな京都の一角で、
いくつもの時代を超えて
生き残ってきた古い小さな平屋に
ひとりで、悠々と暮らす。
まるで小説の主人公。

少々ズボラ生活でも
100年の時を超えてきた
この趣ある部屋では
「ていねいな暮らし」っぽくなりそう。

同じ値段でマンションかアパートという
選択肢があれば、私はきっとここを選ぶ。
色んな物件を見ては
色んな暮らし方を妄想するけれど
このおうちでのひとり暮らしが
夢の暮らしベスト3に食い込んできましたよ。