歌川広重の部屋
この物件は現在は募集終了している可能性が高いです。過去物件のアーカイブとしてお楽しみ下さい。
「建築家には『本当にこのタイルでいいの?』って確認されたわ。でも私はこのタイルを使うって決めてたの。セーヌ川の水面みたいな色、素敵でしょう?」
と、DIY好きパリジェンヌなら言いそう。 ここは南千住、セーヌ川でなく近くには隅田川が流れてるんですけどね。
それでね、左下に見える備え付けの棚の素材なんですけど... 断熱性、気密性、防虫性に優れたOSB! ただの合板じゃないのが、この部屋には合ってる!そしてチラッと見えている青い床は... タイルの玄関です。
この藍色、かわいい青色だ。 気を使ってきちんと選んだ色だ。
隅田川近くってこともあるし、「広重ブルー」と呼びましょう。 広重ブルー玄関。
そう思うとこのお部屋、歌川広重の『名所江戸百景 隅田川水神の森真崎』に使われてる色が散りばめられてる気がしてきます。
パリのアパルトマンだけど、広重部屋でもあるのか。 コンパクトだけど南向き、窓から太陽が燦々。 コンクリ打ちっ放しだけどお日様のおかげであったかい空気感が生まれてる。 トイレだって気を抜きませんよ。 水色のアクセントクロスを貼っています。
東東京や京都の川近くに住むの好きな人っていますよね。そんな人が、川に思いを馳せながらカラーセレクトしたのかなあ。なんて思っちゃうほど青が効いてるお部屋。 収納スペースはガツンと彩度の高い色入れてきました。勝負師だな。 収納の向こうに見えているのは洗面スペース。お部屋小さめだからシャワーのみかな...と思いきや。 きちんと広めのバスタブ付きです。えらい!お風呂は心の栄養分! ロフトもあるので、工夫すれば収納面はやりくりできそうです。これだけ遊んでる部屋に住むと「賃貸って、部屋って、もっと自由でいいんだ!」って感覚が生まれてきそう。
文・戸田江美
1991年生まれ。デザイナー。おばあちゃんの仕事を継いで荒川区のマンションの大家をしている。落語が好き。@530e