「すまぬが、かくまってくれぬか!」と言われても対応できる下町の家
この物件は現在は募集終了している可能性が高いです。過去物件のアーカイブとしてお楽しみ下さい。
追われている幕末志士が来ても大丈夫!なんと隠し部屋がある賃貸を見つけました! 下町・荒川区だからきっと近所の人も人情厚くかくまってくれるはず!! もし仮に、あなたが忍者なら屋根裏に忍び込む練習ができるから最適ですね!!
ハァハァ…興奮気味で失礼しました。
これ、隠し部屋じゃなくて屋根裏収納室なんですけどね。
しかし、長崎のグラバー邸や坂本龍馬が作った会社・亀山社中で、追っ手から逃げる幕末志士が実際に使った屋根裏の隠し部屋を見た身としては、もう、鼻息荒くしながら写真を拡大してしまったワケであります。
荒川区トダビューハイツ近くに、こんなおもしろ物件がしれっと普通にありました。おもしろすぎる。 入り口もちょっと変わってて、一階の引き戸玄関の脇からあがります。 この純和風玄関と、洋風扉が仲良く並んでる図、ウケる。しかも引き戸の方、クリスマスリースらしきものが飾ってある。かわいい。
脇の赤いポストも愛嬌ありますね。
この、意図せず個性的に仕上がってる感じ、天性の才能を感じます。きっと擬人化したら芸大生だ(偏見)。 渋めだけどまだ築21年というところも愛せる。 ではさっそく階段をのぼっていきましょう。 和室が2間。42.93㎡で8万円です。 間取りは「2SDK」。SはサービスルームのSですね。ちょっとアイドルっぽい間取り名ですね。 このままちゃぶ台囲むのもいいし、木の感じを活かして和アンティーク調の家具入れればかわいく仕上がりそう。 こっちの和室は例の、天井からはしごが降りてくる部屋ですね。わくわくすっぞ。 奥行きのある押入れがバーン! 隠し部屋も収納として使えるので、総じて収納スペース広いですよね。快適。 キッチンは2口コンロ置けそうなスペースあり。食器棚も入りそうです。 お風呂は新しいユニットバスを導入。窓も付いてる! トイレも白でぴかぴか! 洗面所もポンっと新しいのを置きました!
という、築20年以上物件でよく見る3点セットです。 とりあえず新しくきれいな状態にしておこうっていう気遣いが見えます。 窓を開くと、忍者が逃亡しやすそうな屋根の近さ… と妄想が止まらなくなるおうちでした。 気になりすぎるから今度、遠巻きに見に行こう。
文・戸田江美
1991年生まれ。デザイナー。おばあちゃんの仕事を継いで荒川区のマンションの大家をしている。落語が好き。@530e